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新事業の受注の8割がCo-LABO MAKER経由!? 新しいチャネルを確立!

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introduction

千葉県白井市に研究所がある株式会社メイプルバイオラボラトリーズ。生化学研究や化粧品開発の実績を活かし、研究を強みとした品質管理や試験検査を行っています。また近年では微生物検査やウイルス検査の部門も立ち上げて成長してきました。そんな折に一つ大きな受注の販売チャネルになったのがCo-LABO MAKERだそう。メイプルバイオラボラトリーズの企業概要とこれまでについて代表取締役で理学博士の大西守さんに聞きました。

受託研究開発をメインに行うメイプルバイオラボ

――まず、御社の事業概要について教えてください。

大西守さん:メイプルバイオラボは受託研究開発や品質管理や試験検査を行う会社です。微生物検査や保存試験なども得意としています。また、そのノウハウを活かして自社でも化粧品の製造を行っている会社です。

私自身はタンパク質の分離、精製などの研究から自身のキャリアをスタートさせました。イギリスやカナダの大学で研究員としてカルシウム結合タンパク質の構造などを研究して、エイズ、筋ジストロフィー症診断薬・治療薬の開発も行っています。その後に大阪ガスの子会社である「関西新技術研究所」での受託研究開発を行い、酵素を利用した生ごみ処理機の開発、ギムネマ茶の開発、菌根菌の応用開発を行ってきました。その後、この受託研究開発の場に活路を見出し、2002年にメイプルバイオラボの前身となる企業を立ち上げました。 受託研究開発で行うのは、医薬品や医療機器・化粧品・食品の領域です。そのなかでは微生物検査や保存試験などの品質管理を手広く行っています。主なクライアントは大手の電気機器メーカーや食品企業などから、地元千葉県の中小企業などさまざまです。

凍結乾燥器を扱う研究員。凍結状態にある試料から減圧により氷を昇華させて水分を除去する

イノベーションのアイディアを持つメイプルバイオラボ

――御社は画期的な商品やサービスをこれまで手掛けてきていますよね。いくつか教えて頂けますでしょうか。

大西さん:一つは化粧品です。メイプルバイオラボでは2013年に化粧品販売事業のための株式会社ルシェーヌ化粧品を設立したのですが、これは「防腐剤、合成界面活性剤不使用の化粧品」です。

一般に大手企業が手掛ける化粧品は保存のために防腐剤や合成界面活性剤を使用します。ただ、これらの防腐剤などは菌の細胞膜を壊す作用を持つもの。当然、人間の肌も細胞から出来ているので化粧品を使うことが実は肌荒れの原因になります。そこで、「余分なものを使わない」というコンセプトで作ったのが「ルシェーヌ化粧品」です。 また、植物の枝や葉から細胞で作られるATP(アデノシン三リン酸)を抽出してペットフードにする商品などを手掛けたりもしています。このATPとは細胞のエネルギー源となるもの。筋収縮や生合成に用いられるので、ATPが配合された医薬品も多数販売されています。当社がある千葉県は梨やカブの産地です。梨の木で選定されて出た枝やカブの葉っぱから、ATPを抽出してペットフードの材料として混ぜ合わせて配合すれば、非常に栄養価の高いエネルギー源になる。これまでゴミとして捨てられていたモノを役立てられればSDGsの観点からも有効です。

ほかにも、唐辛子のカプサイシンの抽出や、牛の骨からのタンパク質抽出などもよく手掛けていますね。また昨今では施設を拡張して微生物やウイルスに関する受託研究開発も手掛けています。さまざまなニーズに応じて受託研究開発を行っています。

特にウイルスに関する受託研究開発は昨今のコロナ禍もあり、ニーズが高まっている状況が続いています。微生物検査よりもウイルス検査の方が難易度は上がります。ラボのスペースも区画とゾーンを割ってエアシャワーの設備投資などをしなければいけないために、設備投資をしてラボを増やしました。とはいえ、当社は製品開発の技術はあっても、マーケティングやPR発信は弱みであると自覚していました。中小企業ですから、専任の営業担当者を置くというより、社長の私が日々来る問合わせのメールや電話に返信をして見積もりを提示し……という作業を担っています。

ウイルス部門は売上の8割がCo-LABO MAKER経由に

――Co-LABO MAKERをどのように知り、実施を検討したのでしょうか?

大西:ちょうどウイルス部門を立ち上げた頃でしょうか。ご連絡を頂いたのがきっかけだったと思います。毎日、数件はかならず私の元に問い合わせが来ますから、その一つでしたね。当初は「ラボを貸し出して欲しい」というご依頼でしたが、「実験を受託で受けるという形でしたら」とご返信しました。

ひとくちに受注研究開発と言っても、カテゴリやその内容に応じて中身は千差万別です。受託実験を受けている企業によっては、実験結果のデータだけを納品したり、プレートの写真だけを出している企業もあると聞きます。また、依頼する側も検査の内容をよく理解せずに、右から左へと杓子定規で依頼しているケースもあるように思います。 その点、Co-LABO MAKERからのご依頼はきちんと化学に精通した方が営業担当としてついてくれるので安心しています。メイプルバイオから追試の条件や製品の濃度を変えるといったご提案もできるのは私たちとしても嬉しい限りですね。

メイプルバイオラボのウイルス研究室

ニーズの高まりを感じて2020年にウイルス部門を立ち上げましたが、正直この部門の売上の8割はCo-LABO MAKER経由で頂いています。受託の販売チャネルを一つ大きな柱として増やせましたから、会社経営としても非常に有り難い存在だと思っています。

今後、微生物やウイルス部門に関しては可能性を感じています。国のバイオ戦略にも関わる領域ですね。カブトムシやクワガタの幼虫が食べたクヌギからセルロースを分析して、酵素を抽出して……といった研究などは非常に興味深く思っています。とはいえ、どんな企業さまでもご連絡を頂ければ当社のノウハウをお話させていただきます。

――Co-LABO MAKERを利用したことのない企業に向けてメッセージをお願い致します。

大西さん:私たちのような小さな会社はさまざまなアイディアと技術を持っています。Co-LABO MAKERを通じて依頼を受けることで、そのアイディアを更に膨らめて形にすることができると思っています。「やってみれば良さが分かる」とお伝えしたいですね。

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